秋、走る
2008年 11月 09日
朝のエンゼルストリートに短くこだましているのは、走ってゆく僕の靴音。
発声練習に冬服の引っ張り出し、、なんだかんだやっているうちに出発が遅くなってしまったのだ。
もう1本電車を遅らせても大丈夫なのだけど、家を出た僕はタタッと走り始めた。
2年に1度くらいやってくる『おれ、今、なんだか走りたい気分』が時を選んだのだ。
なんてこった、こんな時に、スポーツの秋。
目的の電車時間までもう5分を切っている。
歩くと9分かかる道のりを5分で行くには、もはや全ての距離をランしなければならない。
しかも達成すれば『家→駅』までのレコードタイムだ。
「もう、次の電車でいいよ」
そう思っても、なんてこった『おれ、今、なんだか走りたい気分』。
止まらないのである。
タッタッタッタッタッ…
「おれ…、まだまだ行けるかも」
タッタッタッタッタッ…
「やっぱ、たまには走らんとね」
ハッハッハッハッハッ…
昔はたくさん走ってたな。
ダムダムダムドンドン…
放課後、体育館にこだまするバスケットボールが全て体育倉庫にしまわれると、僕らは校舎の裏口から浜辺へ向かった。
オゾン層やら何やらたくさんの大気の層を斜めに射抜いてきた太陽光は、赤色混じりに世界をセピア色に引き立てて。
各パートに別れて練習している吹奏楽部のハーモニーが、遠くに聞こえていた。
校舎の横の寂れた小さな遊園地を横目に、防波堤から砂浜に降りてゆき。
パンチの効いた夕陽は、強く投げられた石のように緩やかな海面をバウンドして僕らの汗をもきれいに見せていた。
ピィッ…
ピィッ…
歯切れのよい愛情たっぷりの笛に反射し、僕らは砂を蹴って飛び出した。
いったい何になるというのだろう。
力強く走れば走る程、前には進まず。だけど力強く走らなければ、さらに遅く進んでしまう。
こんな辛いメニューにも文句一つ言わずに、ひたすら砂を蹴った。
本当によく走った。
決められたメニューどうりに動いてゆく、楽さ。
きつくても止まれない、辛さ。
総して、練習が終わった後は清々しかった。
ハァハァハァハァ…
『おれ、今、なんだか走りたい気分』は、駅まで僕の足の回転数を緩めなかった。
徐々に混み始めた電車の中、上がっている息をなるだけ静かにして回復を待つ僕。
おおー、間に合ったよ。新記録だ。
ハァハァハァハァ…
しかし、息が、、うー、なかなか戻らない。
日々自分で決めたメニューどうりに動いてゆく、辛さ。
きつかったらいつでも止まれる、楽さ。
いつも、自分を律してゆくのは難しいよね。
そうとうシャンとしとかんといかんですばい。
オゾン層やら何やらたくさんの大気の層を斜めに射抜いてきた太陽光は、影よりも反射する光をキラキラと引き立てて。
まるで流れる時を引き立てる様に、快速電車は次々と踏切の音を一瞬で後ろに追いやっていった。
ハァハァハァハァ…
しかし、ほんと、たまには運動せんといかん。
【東京は西の端、青梅の『宮の平』にて】
右が兄、左が妹。(きっと)
兄はしっぽをくにくに動かして、妹はそれで遊んでいた。本当に仲がいいと。
もうすぐ寒くなるねぇ。そうですねぇ。
しかし、眩しいですねぇ。
【ありがとう、オレンジコスモス】
公園、落ち葉、噴水、ぽかぽか、花、暖色。暖色。
【小物狙い】
釣りは、極めて辿り着く所は『へらぶな釣り』らしい。
だけど、さらに極めきったこのおじいは、目下の小物狙い。
【ここは平和な公園】
きっと毎日、将棋大会。
きっと今は、午後の決勝戦。
【何を見つけたの?】
【秋進む、木漏れ日たくさん】
再び青梅にて。
【JR宮の平駅】
記憶が旅に出てしまう。なんてことない駅なんだけど、そんな懐かしい感じ。
この長椅子は素敵。
『乗り遅れホーム、30分待ち』の巻。
秋は行く、僕も行く、電車もきっとこっちに向かっている。
何のことはない、みんなで次の季節へ。
発声練習に冬服の引っ張り出し、、なんだかんだやっているうちに出発が遅くなってしまったのだ。
もう1本電車を遅らせても大丈夫なのだけど、家を出た僕はタタッと走り始めた。
2年に1度くらいやってくる『おれ、今、なんだか走りたい気分』が時を選んだのだ。
なんてこった、こんな時に、スポーツの秋。
目的の電車時間までもう5分を切っている。
歩くと9分かかる道のりを5分で行くには、もはや全ての距離をランしなければならない。
しかも達成すれば『家→駅』までのレコードタイムだ。
「もう、次の電車でいいよ」
そう思っても、なんてこった『おれ、今、なんだか走りたい気分』。
止まらないのである。
タッタッタッタッタッ…
「おれ…、まだまだ行けるかも」
タッタッタッタッタッ…
「やっぱ、たまには走らんとね」
ハッハッハッハッハッ…
昔はたくさん走ってたな。
ダムダムダムドンドン…
放課後、体育館にこだまするバスケットボールが全て体育倉庫にしまわれると、僕らは校舎の裏口から浜辺へ向かった。
オゾン層やら何やらたくさんの大気の層を斜めに射抜いてきた太陽光は、赤色混じりに世界をセピア色に引き立てて。
各パートに別れて練習している吹奏楽部のハーモニーが、遠くに聞こえていた。
校舎の横の寂れた小さな遊園地を横目に、防波堤から砂浜に降りてゆき。
パンチの効いた夕陽は、強く投げられた石のように緩やかな海面をバウンドして僕らの汗をもきれいに見せていた。
ピィッ…
ピィッ…
歯切れのよい愛情たっぷりの笛に反射し、僕らは砂を蹴って飛び出した。
いったい何になるというのだろう。
力強く走れば走る程、前には進まず。だけど力強く走らなければ、さらに遅く進んでしまう。
こんな辛いメニューにも文句一つ言わずに、ひたすら砂を蹴った。
本当によく走った。
決められたメニューどうりに動いてゆく、楽さ。
きつくても止まれない、辛さ。
総して、練習が終わった後は清々しかった。
ハァハァハァハァ…
『おれ、今、なんだか走りたい気分』は、駅まで僕の足の回転数を緩めなかった。
徐々に混み始めた電車の中、上がっている息をなるだけ静かにして回復を待つ僕。
おおー、間に合ったよ。新記録だ。
ハァハァハァハァ…
しかし、息が、、うー、なかなか戻らない。
日々自分で決めたメニューどうりに動いてゆく、辛さ。
きつかったらいつでも止まれる、楽さ。
いつも、自分を律してゆくのは難しいよね。
そうとうシャンとしとかんといかんですばい。
オゾン層やら何やらたくさんの大気の層を斜めに射抜いてきた太陽光は、影よりも反射する光をキラキラと引き立てて。
まるで流れる時を引き立てる様に、快速電車は次々と踏切の音を一瞬で後ろに追いやっていった。
ハァハァハァハァ…
しかし、ほんと、たまには運動せんといかん。
右が兄、左が妹。(きっと)
兄はしっぽをくにくに動かして、妹はそれで遊んでいた。本当に仲がいいと。
もうすぐ寒くなるねぇ。そうですねぇ。
しかし、眩しいですねぇ。
公園、落ち葉、噴水、ぽかぽか、花、暖色。暖色。
釣りは、極めて辿り着く所は『へらぶな釣り』らしい。
だけど、さらに極めきったこのおじいは、目下の小物狙い。
きっと毎日、将棋大会。
きっと今は、午後の決勝戦。
再び青梅にて。
記憶が旅に出てしまう。なんてことない駅なんだけど、そんな懐かしい感じ。
この長椅子は素敵。
『乗り遅れホーム、30分待ち』の巻。
秋は行く、僕も行く、電車もきっとこっちに向かっている。
何のことはない、みんなで次の季節へ。
by ak-essay
| 2008-11-09 01:34