有田健太郎のエッセイコーナーです


by ak-essay

伸びてゆくのは僕の影

先月実家に帰った時に倉庫の奥から、ずいぶん昔の日記を発見した。
7冊程まとまって袋にはいってたのだ。
その時は忙しくて、とりあえず東京に送るダンボールに入れたのだが。
ようやく見る勇気がでてきたので、とりだしてきた。


「10才」と書かれたノートからひらいてみた。
ああ。。僕の字だ。

ぱあっとめくれば20年前の空気とともに、遠い遠い記憶がパチパチとよみがえる。
しかし誤字だらけで解読に時間がかかるなぁ。

「お」と「を」なんてことごとく間違ってるし、「授業」が「業授」になってる…。

そこに書いてある日々は本当に平凡な日常で、楽しかったり、むかついたり、別に何もなかったり。

懐かしい思い出に浸れるのかと思いきや、以外に辛いことも多くよみがえってきて、複雑な気持ちになるよ。

間違いなく言えることは、子供の頃からバカだったということで。
記された小5、小6、中1、中2、中3、高1、高2、高3、予備校時代を、確かに生きていたということだ。

あまりにもことがありすぎるが、中村あゆみの「翼の折れたエンジェル」風に紹介させてね。

10才、
授業中、教室の窓から見える線路。
貨物列車が通過する時間と、何両編成だったのかを毎日記録していた。

11才、
授業中、こっそりハトの卵を温めていた。
先生に見つかって手を開けろ!と言われたが、意地でも手を開かなかったらしい。だけど卵は割れていて、すごく怒っていた。

12才(中1)、
クワガタと釣りとプラモデル。

13才(中2)、
ヤンキーから走ってにげていた。

14才(中3)、
尾崎豊を聴き、音楽に目覚める。
だけど後藤久美子が好きだった。

15才(高1)、
いつも一人で非常階段でウォークマンを聴いていた。

16才(高2)、
バスケに夢中。
日記では、意外に文句ばっかり言っている。

17才(高3)、
彼女のことが好きで好きでたまらないのに、辛い態度であたってしまうもどかしさが連日記されている。
読み返す自分が恥ずかしい。

18才(予備校)、
何を決心しても続かない、パチンコ屋でチンピラの代打ちバイトをやっていた。
そんな中、高3に買ったギターを弾きはじめる。


想い出は胸に焼きつけていれば、また思い出す。
そう強く思っていたのだけど、写真や記録というのはやっぱり悪くないね。

この日記達は、心の奥深くにほこりをかぶって忘れ去られたハコ達の鍵で、いい思い出も、悪い思い出も、最高の日々も、最低の日々も、なにもない日々も思いだださせてくれた。

僕はこの日記達をもう10年単位で見ないだろう。
だけどいつかまた、見ると思うよ。
その時はまた見方が違うかもね。


歩いてゆく僕の影は、西からの夕陽を背にどんどん伸びてゆくだろう。
僕は、その影とともに朝陽に向かって東へと歩いてゆくんだ。

未来にもきっと「素晴らしい」と言える時間があるはず。

まー、いい思い出だけ残してゆきましょう。


最後に分かったこと。
日記は後で自分がもう一度読み返すことを意識してつけた方がいい(笑)。



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【屋上の花】
「こんなとこに生えてしまったよ〜」とか思ってないよね。
ただただ生きとんしゃった。


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【秋空に柿とすずめ】
街は後楽園の小石川。
ふと見上げると、こんにちは(笑)。
みんな冬支度。
お互い、いい冬にしましょうね!
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by ak-essay | 2006-11-18 22:19